バイオ医薬品メーカは陳腐化をチャンスと捉える

バイオ医薬品メーカは陳腐化をチャンスと捉える

課題

  • スキッド制御システムが陳腐化という問題を抱え、コストのかかるダウンタイムのリスクが高まっていた。
  • オペレーションを見渡せないシステムになっていた。
  • システムの通信障害によって重大アラームが発生し、ダウンタイムが発生していた。

ソリューション

結果

  • 時代遅れのシステムを新しい制御システムに置き換えたため、今後のアップグレードの道が切り開かれた。
  • 可変周波数ドライブ(VFD)やその他のコンポーネントの可視性が改善され、素早くトラブルシューティングできるようになった。
  • システムの通信障害によって週に数回発生していた重大アラームが減少した。

 

バイオ医薬品メーカでは、老朽化した機器に対応しなければ、数百万ドルの問題が発生する可能性がありました。

スペア部品がない状態で機器が故障した場合、高価なバイオ製品の生産停止によってコストがかかり、バッチが失われるという結果になる可能性もあります。

最近、あるバイオ医薬品大手は、2台の精製スキッドの老朽化に対応しなければならなくなりましたが、このことをプロセスのオペレーションをさらに改善するチャンスとしてとらえました。

陳腐化の先手を打つ

各生産バッチは1から4リットルの細胞のアンプルから始まり、それが薬剤の主要タンパク質を作るための原動力として働きます。

アンプルは、解凍されて活性状態になり、バッファメディアと組み合わされて細胞の成長と複製が促されるという発酵プロセスを受けます。

このプロセスを経た細胞のアンプルは、最終的に12,000リットルまでに膨れ上がる場合があります。

指定した目的量に達すると、バッチは精製工程に送られます。精製工程では、細胞残屑、不要なたんぱく質、その他の要素が、一連のさまざまなプロセスによって除去されます。

このプロセスの最後がタンジェンシャル・フロー・フィルトレーション(TFF)です。

TFFは圧力駆動によるプロセスであり、タンパク質からバッファ類が除去されます。薬剤の目標仕様を満たす最終濃度になって充填に送ることができるようになるまで浄化、精製されます。

この企業には、バッチサイズの異なるTFFスキッドが複数ありますが、耐用年数の終わりに近付いているのは、中型TFFスキッド2台でした。

最初のスキッドを使用し始めたのは1998年で、2台目のスキッドは、拡大する製品需要に応えるため、その後まもなく導入されました。両方のスキッドに、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、可変周波数ドライブ(VFD)、ヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)の各装置が搭載されていましたが、間もなく使用停止するか、すでに使用停止という状態でした。

バンクス・インテグレーション・グループのプロジェクトエンジニアであるティム・ブラウン氏は次のように述べています。「この企業は、システムの寿命が近付いていて、交換するかアップグレードする必要があることを把握していました。スキッドシステムの全体的な健全性に基づくと、制御システムのアップグレードが道理にかなっていました。」

スペア部品がなく、ダウンタイムの可能性があることを考慮すると、この老朽化した機器が故障した場合、その生産に与える不利益は最大1000万ドルにも上ります。

その上、コンポーネント間の通信不良のため、週に5回から6回の重大アラームが発生し、不要なダウンタイムが生じていました。

診断情報がないため、アラームのトラブルシューティングと診断は難しく、1回のアラームを解決するために、品質管理、オートメーション、製造科学グループの10人ほどから支援を受けなければならないこともありました。

「ワイヤが緩んでいたという単純なトラブルシューティングに数時間かかることもありました」と、ブラウン氏は言います。

また、2台のスキッドは同じ設計に基づいていましたが、独自のシステムになっていました。つまり、各スキッドのコードは別々であり、新たに本稼働するたびに、別々にテストする必要がありました。

制御システムの移行

このバイオ医薬品メーカは、ロックウェル・オートメーションのPartnerNetworkプログラム・ソリューション・パートナであるバンクス・インテグレーション・グループと協力し、ロックウェル・オートメーションのPlantPAx® modern DCSプラットフォームに基づいて、制御システムのアップグレードプロセスのアップグレードプロセスのデザイン、設計・製造、検証を行ないました。

旧式スキッドのPLCとVFDは、Allen-Bradley®のControlLogix® 5570コントローラおよびAllen-BradleyのPowerFlex® 525 VFDにアップグレードしました。

単一フォルトトレランスのEtherNet/IP™ネットワークで、この企業の既存のデータ・ハイウェイ・プラス(DH+)ネットワークを置き換えて、デバイスレベルの通信を改善し、リアルタイムのパフォーマンスモニタを可能にしました。

また、冗長なクライアント/サーバSCADAアーキテクチャに制御システムを統合し、リモートアクセスも含めて、高いレベルのアクセスを可能にしました。

新しいスキッドシステムでは、ライフサイエンス用のPlantPAxプロセスオブジェクトを使用します。これは、ライフサイエンス業界用にカスタマイズされた、コントローラコード、表示要素、フェイスプレートのライブラリです。

企業のオペレータは、このような定義済み要素により、アプリケーションを迅速に構成できるようになり、生産への導入を高速化してサイクルタイムを短縮できます。

新システムでは、ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® Batchソフトウェアも使用しており、オペレータは装置エディタ機能とレシピエディタ機能により、モデルを作成して個別のレシピを構築できます。FactoryTalk Batch with PhaseManager機能では、フェーズ・ロジック・インターフェイス(PLI)コードなしで機器フェーズを作成できるようになり、フェーズロジックのプログラミングと構成が簡略化されます。

効率の改善

この企業は、TFFスキッドをアップグレードして、機器が陳腐化する前に事前に対処し、発生する可能性のある重大なダウンタイムの問題を防ぐことができるようになりました。さらに、アップグレードによってオペレーションが改善され、ビジネス上の利益を得ることができました。

新制御システムでは「ファミリー」コードアプローチがサポートされ、同じコードを1回だけテストして両方のスキッドにインストールできます。

ブラウン氏は次のように述べています。「2つのシステムで1セットのコードを共有すると、基本的に企業の検証コストは半分に削減されます。テストプロセスの量も事務作業の量も、2倍ではなくなりました。」

新システムでは、通信の問題に起因する重大アラームも、週に5回から6回発生していた状況から、稼働後の最初の2ヶ月で0回というように、大幅に減りました。

問題が発生しても、このメーカのチームは、新システムにより、スキッドをより良く見渡して素早く解決できます。

例えば、旧システムのVFDはモニタされていませんでした。その結果、オペレータは、数十のフォルトコードを調べて問題を突き止めるのではなく、機械を再起動していました。今では、新しいVFDのフォルトコードはPLCに送られて、データ履歴管理に収集されます。

ブラウン氏は次のように述べています。「新しいシステムとデバイス・レベル・リングにより、障害が発生している場所を正確に知ることができます。この企業では、導入した最初の週だけで約1日分のトラブルシューティング作業を節約しました。」

また、新しいネットワークにより、制御レベルで収集された情報が施設中を流れるようになりました。従業員は、工場フロアにいなくても、スキッドにリモートアクセスできるようになり、システムの動作状況を簡単に見渡せるようになりました。

ブラウン氏は次のように述べています。「この企業では、以前は外部から工場フロアを見渡すことはほぼできませんでした。現在では、電話を受けると、オフィスや別の場所からスキッドに2分でリモートアクセスできます。トラブルシューティングの観点だけからでも、これには大きな利益があります。」

上記の結果は、ロックウェル・オートメーションの製品とサービス、および他の製品を採用したバイオ医薬品メーカの事例です。他のお客様の場合、具体的な結果が異なることがあります。

Allen-Bradley, ControlLogix, FactoryTalk, PartnerNetwork, PhaseManager, PlantPAx, およびPowerFlexは、Rockwell Automation Inc.の商標です。

EtherNet/IPは、ODVA Inc.の商標です。

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