スリーマン社は、仮想化プロセス・オートメーション・システムによって2週間で生産能力を50%拡大

スリーマン社は、プロセスオートメーションによって生産能力を拡大

課題

  • 消費者の需要に応えて生産能力を拡大。未建設地に新たな施設を建築する大きな出費を避ける。

ソリューション

  • PlantPAx分散制御システム – オペレータおよび経営者レベルの情報へのアクセスが簡単に
  • FactoryTalk Brew – このソリューションは、醸造工程の制御、高度なレポート機能、および分析を提供
  • VMWare仮想化サーバ – 冗長データストレージを提供

結果

  • 生産量の増大 – 生産設備を追加することなく2週間以内に生産レベルを50%増大
  • 改善したプロセス制御 – 生産制御を実現、自社で簡単にプロセスおよびレシピの変更が可能
  • 設備費を回避 – 新施設の建築や設備の追加を回避

ロックウェル・オートメーションのプロセス・オートメーション・システムは内部プロセスおよびレシピ制御を提供

ブームに乗る

10年前なら、カナダ南部の現地生活の味わいを求めて訪れた観光客は、地元の最高のワインをの1杯、注文したでしょう。今日では、何を置いてもクラフトビールです。

新たに参入する起業家から大手メーカーまで、カナダのビール醸造所はクラフトビールへの需要で売上を伸ばしています。マイクロブルワリー(24本入りのケースで25,000ケース未満の生産者)の軒数は、過去7年で倍以上に増えました。

クラフトビールの人気の爆発によって、スリーマン(Sleeman Breweries)社の生産ラインは限界に達しました。スリーマン社はカナダで3番目に大きなビール醸造所で、ラガーからペールエールまで、人気のビールを生産、販売しています。

1834年に遡る悪評の高い密造酒と醸造の時代から、今日では同社はクラフトビール市場で力強いプレゼンスを示すに至りました。スリーマン社は、オンタリオ、ケベック、ブリティッシュコロンビアの3つの醸造生産施設を有しています。

クラフトビール醸造設備の最新化

クラフトビール需要の高まりは、スリーマン社のような企業にとっては理想的ですが、生産能力には限界があります。ブリティッシュコロンビア州バーノンにある同社のオカナガン・スプリング・ブルワリー(OSB)では、OSBビールの需要の増加に対応するのに苦戦していました。管理チームは、1日に8回醸造という醸造最大生産量を引き上げる方法を探していました。

OSBの生産能力を増大させられない場合、同社は多額の設備投資をして新施設を建設する必要がありました。

当時、スリーマン社は顧客の需要を満たすため、他社に生産を委託していました。これは、コスト管理、一貫した品質と香り、納期を守る上では理想的な方法ではありませんでした。

設備の生産増加に限度があっただけでなく、既存のインフラは時代遅れの半自動制御システムに基づくものでした。醸造工程の変更(新たなレシピの追加を含む)は、手作業で行なう必要があり、そのためヒューマンエラーおよび不一致のリスクが高くなります。

生産工程全体を通して、オペレータは適切なタイミングで、適切な場所にいなければなりませんでした。オペレータが生産を進めるためにラインにいなければ、醸造工程はそこで止まってしまいます。

このような制約によって、スリーマン社は消費者の好みや業界の傾向の変化に迅速に対応できませんでした。この手作業によるアプローチでは、醸造工程を完全に制御するために必要となる、正確でタイミングのよい生産評価基準へのアクセスも不可能でした。

バッチ報告書は個別の対応が必要で、オペレータが紙の数字を入力する必要があり、圧力や流量などの主要情報へのリアルタイムアクセスは制限されていました。

より優れた制御はより優れた醸造を意味する

スリーマン社のチームはロックウェル・オートメーション認定システムインテグレータであるマクレア・インテグレーション社と協力し、生産能力の増強、リスク削減およびリアルタイム生産データへのアクセス提供のために、組み込みプロセス・オートメーション・システムを設計、導入しました。

スリーマン社のチームは、1つのソリューションによる施設全体の標準化を目指しました。単一のプラットフォームによって、経営者がすべての設備の生産評価基準およびオペレーションデータを本社にいながら確認することができるようになります。

1つの共通のプラットフォームにより、社内のメカニックや電気技師もある施設から別の施設に移行しやすくなり、部品在庫も合理化できます。

OSBの醸造監督を務めるステファン・トブラー氏は次のように述べています。「単一のプラットフォームは、ライン全体および施設間の洞察を与えてくれます。ですから、優れたビールを生産しながら成功を積み重ね、当社の継続的改善という目標を達成することができます。私達は、すでに当社の他の施設でロックウェル・オートメーションの装置で標準化を完了していました。また、マクレア社がロックウェル・オートメーションのテクノロジをベースとした単一のプラットフォームによって当社が目標を達成するのをサポートできることを知っていました。」

醸造オートメーション: 醸造所の生産および梱包の自動化と制御システム

マクレア社は、ロックウェル・オートメーションのPlantPAx®分散制御システム(DCS)とマクレア社のMeridian BrewSoftおよびBrewSightソフトウェア(現在のFactoryTalk® Brew™)を基にした段階的アプローチをとりました。

このシステムには、醸造サイクルトレンドをピンポイントで特定するために主要プロセスデータを収集・追跡・記録する報告書およびヒストリアンソフトウェアが含まれ、これにより、オペレータは必要な場合に積極的に醸造工程に変更を加えることができます。ロックウェル・オートメーションのプロセス・オブジェクト・ライブラリは、定義済みコントローラコードおよびフェイスプレートを提供し、新システムによってスリーマン社のオペレータはさらに短時間で新規バッチを設定し、レシピを構築することができます。

マクレア社は自社のソフトウェアソリューションを使って醸造アプリケーションのソリューションをカスタマイズし、オペレータは操作が簡単なWebインターフェイスを使ってプロセスを完全に制御できるようになっています。

ロックウェル・オートメーションのAllen-Bradley®PowerFlex® 525およびPowerFlex 755ドライブは、醸造工程における柔軟なモータ制御を実現し、制御システムとのデバイス診断の通信をサポートします。

導入を完成させるため、マクレア社はスリーマン社のITチームと協力して、VMware®仮想化サーバをインストールしました。スリーマン社のチームは、その数年前にバーノンの拠点に冗長サーバを設置していましたが、装置と追加のストレージスペースのコストを維持するのが困難であることが明らかでした。

VMware仮想化サーバは、生産データの自動冗長性と、強化されたデータリカバリおよび拡張されたデータストレージを提供しました。1つの仮想化サーバは、最大4つの物理的バックアップサーバを置き換えることができ、それによりハードウェア装置のコストが大幅に削減されます。

またこれにより、スリーマン社のチームは仮想化サーバのコピーを作成し、オフラインでシミュレーションを実行し、生産の変更を事前にテストすることができるようになりました。 

より多くのビールを生産

2週間以内に、スリーマン社はバーノン施設の生産量を1日あたり8回の醸造から12回の醸造へと50%増加させました。

現在、醸造チームは、すべての醸造をサードパーティの生産者を使うことなく自社で行なうことができるようになりました。そして、同社は新たな施設の建設、大規模の装置のアップグレードや追加などのコストを避けることもできました。

さらに、オペレータは醸造工程をより柔軟に制御できるようになりました。Webブラウザベースのレシピを使って、オペレータはより簡単に新規レシピを構築し、テストバッチを作成し、追加のテストおよび生産向けにレシピをシステムに保存することができるようになりました。

醸造マネージャは、プロセスおよびレシピの変更をWebブラウザのインターフェイスを使って簡単に行なうことができ、増員も必要ありません。

管理者は、PlantPAxシステムのトレンディング能力とBrewSightソフトウェアの報告書を活用して、あらゆる生産の問題をチェックすることができます。例外報告書を使って、システムが、醸造が発酵に至る進行状況を追跡して報告書を作成し、醸造の変数が範囲から外れると管理者に電子メールが送信されます。

醸造チームは、手直しや事後に少量の不足分を別に醸造するのではなく、必要となる任意の是正措置を講じて、ダウンタイムを低減することができます。

トブラー氏は次のように説明します。「クラフトビール醸造では、水、入荷するモルトやその他の変数に応じてレシピに多数の小さな変更を行ないます。そして、新規のレシピを追加することもあります。PlantPAxシステムとFactoryTalk Brewソフトウェアによって、私達は醸造品質を維持することができ、また、消費者の好みと市場の傾向の変化に迅速に対応するために必要な柔軟性も確保できます。」

ソフトウェアのアップグレードで生産速度が上がり、さらに高い醸造品質が保たれています。現在、バーノン施設は業界トップクラスの2時間醸造サイクルを誇り、香りと品質の一貫性も向上しています。

スリーマン社のチームの仕事はまだ終わっていません。チームは貯蔵施設および梱包ラインを含む残りのバーノン施設全体にPlantPAxプラットフォームを導入することを計画しています。スリーマン社の施設のすべてのエリアが標準化されるにつれて、企業の可視性が改善し、同社が事業の成長を促す意思決定をより効果的に行なうことができるようになります。

上記の結果は、ロックウェル・オートメーションの製品とサービス、および他の製品を採用したスリーマン社の事例です。他のお客様の場合、具体的な結果が異なることがあります。

Allen-Bradley, FactoryTalk Brew, PlantPAx, およびPowerFlexは、Rockwell Automation Inc.の商標です。VMwareは、VMware Inc.の商標です。

お問い合わせ

当社の仕事は優れた知識とサービスを通じて、自動化の設計と導入をお手伝いしその投資が生かされるようサポートすることです。