「プロジェクトマグネット」によりワイアラ製鉄所の事業寿命を延長

「プロジェクトマグネット」によりワイアラ製鉄所の事業寿命を延長

課題

  • ワイアラ製鉄所の採掘から出荷にいたる鉱山業務全般で完全に統合された制御システムをタイトスケジュールで開発する

ソリューション

結果

  • ワイアラ製鉄所の事業寿命を2020年から少なくとも2027年まで延長
  • 年間売上を100万トンから600万トンに増加(現在の年間ランレートはワイアラ港拡張プロジェクトのため1200万トン)
  • ペレットの生産を乾式加工から湿式加工に転換することで砂埃の排出を低減

背景

アリウム・マイニング社はオーストラリアの大手資源会社で、現在、南オーストラリア州ミドルバック山脈およびペキュリアーノブ鉱山での採掘事業から年間ランレート1200万トンで赤鉄鉱石を中国に輸出しています。同社には、採掘、鉱山消耗品、鉄鋼&リサイクリングの3つの主要事業があります。

アリウム社は、2005年に「プロジェクトマグネット」を通じて事業を多様化し資源セクタに進出することを決定したときに歴史上重要なマイルストーンを迎えたといえます。このプロジェクトでは、ワイアラ製鉄所が輸出販売向けの鉄鉱石を採掘する鉄鉱石供給源に転換され、新しい収益源となりました。

このような大規模なプロジェクトでは、採掘から出荷にいたる業務全般においてすべてのオペレータステーションの可視性を実現する完全に統合された制御システムが必要となります。これを実現するために、アリウム・マイニング社は
ロックウェル・オートメーションと認定システムインテグレータであるロジカムズ社の専門知識を集結させ、ワイアラ製鉄所の事業寿命を延長するだけでなく、環境改善に役立ち、製鉄のコストも低減する革新的なソリューションを開発しました。

採掘から出荷にいたる業務全般の完全な統合

ロックウェル・オートメーションおよび、業界をリードするエンジニアリング、プロジェクト実施、資産管理会社であるロジカムズ社は、完全に統合されたソリューションの提供で長年の実績があります。プロジェクトマグネットも例外ではありません。ロックウェル・オートメーションの鉱業部門担当エグゼクティブ・アカウント・マネージャであるグレッグ・シュルツは次のように述べています。「このプロジェクトでは、制御の観点で、採掘から出荷にいたるすべての業務に目が向けられました。」

採掘現場はワイアラ製鉄所から約60km離れた位置にあるため、スラリーパイプラインが建設され、パイプを通じて鉄鉱石をワイアラまで輸送することが可能になりました。同時に、赤鉄鉱石は引き続き、鉄道で港まで輸送され出荷されました。

業務の主要エリアのうち、完全な制御システムの統合が必要とされたのは、輸出用赤鉄鉱石を処理して保管するマテリアル・ハンドリング・エリアと、スラリーパイプラインから鉄鉱石を受け取り既存のペレットプラントに供給する準備を行なう濾過/フラックスエリア、鉱山の選鉱機エリアの3つでした。

このプロジェクトでは、採掘現場の近くにあった選鉱プラントを、60km以上離れた製鉄所にあった濾過/フラックス施設に接続する際の距離が課題となりました。

「大規模な光ファイバーネットワーク全体でイーサネットを利用することでこの問題に対処しました。FactoryTalk Viewによって、採掘から出荷までの業務全体にわたってオペレータステーションの可視性が実現されました」と、シュルツは述べています。

「この設置は、広範なネットワーク全体で多数の冗長HMIサーバを使用するという複雑なものでした」と、さらに彼は続けます。

ControlLogixプラットフォームに基づく信頼性が高く安全な制御システムの統合を実現するため、コントローラとHMIサーバによって完全に冗長な複数の制御システムが使用されました。また、ポンプ機器と粉砕機器には低圧および高圧ドライブが使用され、モータ・コントロール・センタの設計にはGuardmasterセーフティリレーを含む安全コンポーネントが組み込まれました。

ロジカムズ社は、ロックウェル・オートメーションのIntegrated Architecture (統合アーキテクチャ)ソリューションにより、直接参照タグとユーザ定義タグ構造を使用することでプロジェクトの開発時間を短縮しました。プロジェクト全体にわたる、FactoryTalk View SEを使用したSCADAソリューションにより、構成をほとんど追加することなくアプリケーション内のどこからでもグラフィックを表示できるようになりました。アプリケーション全体の保守が、すべてのエリアのエンジニアリングワークステーションから実行できます。

「これは当時完成予定だったFactoryTalk Viewアプリケーションの中でも最大規模のものでした。そのため、このソリューションが成功するには、ロックウェル・オートメーションのソフトウェア事業部からの多大なサポートが不可欠でした」と、ロジカムズ社の制御システム部門シニアエンジニアであるアンドリュー・トンプソン氏は語ります。アリウム・マイニング社のプロセス制御システム主任エンジニアであるジョナサン・デルアオ氏は次のように述べています。「このソリューションによって完全な統合と高度なプロセス制御が実現し、生産ニーズに応じてシステムを制御および変更することが可能になりました。」

「プラントが完全に自動化され、生産と加工の両面でニーズに柔軟に対応できるようになりました」と、デルアオ氏は続けます。

乾式から湿式へ

ワイアラ製鉄所では、赤鉄鉱石から鉄鉱石に移行する段階で、鉄鉱石ペレットのプロセスが乾式から湿式に変更されました。鉄鉱石は、鉱山から製鉄所までスラリーパイプラインを通って輸送されるため、砂埃の排出レベルが低減され、ワイアラの地域社会に多大なメリットがもたらされました。

プロジェクトマグネットではまた、鉄鉱石の積載に屋根付きの施設が使用され、破砕・選鉱エリアも採掘現場に再配置されたため、ワイアラの環境条件はさらに改善されました。

プロジェクトマグネットでは、ワイアラ港の大規模な浚渫を回避するため、積換えサービスが開始されたほか、一連の高側無蓋車が新たに導入されました。プロジェクトマグネットがもたらしたメリットは、ワイアラ製鉄所のサステナブルな競争力を強化するうえで重要な役割を果たしています。

事業寿命の延長

プロジェクトマグネットの実行が成功したことで、ワイアラ製鉄所の事業寿命は、赤鉄鉱石の埋蔵量を基に推定されていた2020年から、少なくとも2027年まで延長されました。

選鉱済みの鉄鉱石を供給した結果、埋蔵されている赤鉄鉱石の販売および輸出も加速でき、年間売上が100万トンから600万トンに増加しました。アリウム・マイニング社では現在、ワイアラ港拡張プロジェクトも実施中で、年間ランレートは1200万トンに達しています。

プロジェクトマグネットの成功を基に、アリウム・マイニング社はロックウェル・オートメーションの完全なソリューションを使用して別の鉱山を開発しました。「当社では、高度な分離コンポーネントとセキュリティコンポーネントが搭載された、完全統合型のイーサネットネットワークに移行しました」と、デルアオ氏は述べています。

プロジェクトマグネットでは、最先端技術を専門分野の高度な知識と組み合わせることで、ワイアラと南オーストラリア州の地域社会に対し多くのメリットを継続的にもたらす、鉱山業務全般に及ぶ完全に統合されたソリューションを構築することに成功しました。

ここで紹介した成果は、ワイアラ製鉄所でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

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