アンコール・ティシュー社のプラントが、ドライブのアップグレードで生産性を向上

アンコール・ティシュー社のプラント、アップグレードで生産性を向上

課題

  • 家庭紙製品の製造機械のドライブをアップグレードするソリューションを設計し、ラインの速度を向上させること

ソリューション

  • 制御と安全の統合 – イーサネット通信が可能なGuardLogix®プロセス・オートメーション・コントローラ
  • 家庭紙製造機の制御システムとインターフェイスで接続されたソフトウェア
  • ドライブのアップグレード – 既存のDCドライブにかわる、PowerFlex® 755 (500kWおよび250kW)ドライブを採用
  • ドライブの標準に基づく、家庭紙製造機のアプリケーションソフトウェアの設計・開発
  • 手狭な電気室の限られたスペースに収まるソリューション設計

結果

  • 現行の安全規格への適合 – GuardLogixが機械の安全リスクを緩和し、現行の安全規格の遵守をサポート
  • Guardmaster®ドアロック装置による、プラント人員の無許可アクセスの防止
  • 家庭紙製造機のライン速度の向上 – アップグレードによって家庭紙製造機のライン速度が向上し、生産量が増大
  • 立上げ中の業務中断の最小化 – ハードウェアおよびシミュレーションソフトウェアを統合した形で、設置前に工場出荷時テストを実施
  • 設置およびスタートアップ時のローカル技術サポート

ロックウェル・オートメーションのグローバル・ソリューション・チームが、持ち前のエンジニアリング能力を発揮しました。ラインの部分的なアップグレードをカスタマイズして既存システムに統合し、家庭紙製品の生産速度を向上させたのです。

サステナビリティは、オーストラリアのパルプおよび製紙業界の重要な要素です。技術の進歩によって環境への影響が低減され、安全性が向上し、家庭紙の生産工程の長期的なサステナビリティが促進されています。

1998年にホルクナー家がオーストラリアで創業したアンコール・ティシュー社は、チャーリー・ホルクナー氏と2人のご子息(デイビッドとマーク)が営む家族経営企業です。

現在はトイレットペーパーやキッチンペーパーの大手製造メーカに成長し、ビクトリア州ラバトンノースに製造プラントを構えています。アンコール社のモットーは、高品質の製品を製造し、環境や社会、経済に対する責任を果たすことです。

原材料となる繊維性物質は、責任をもって管理されているプランテーションや再生林から調達され、それを加工した繊維材料は、厳格な国際規格に従ってサステナブルな森林管理を実践する国内外のサプライヤから入手されています。また、どのサプライヤも、森林管理協議会(FSC)の認証を取得した環境システム・手順を使用しています。

アンコール・ティシュー社は、事業の舞台となる世界の資源や生態系を脅かすことなくサステナブルな経済成長を遂げ、現在および未来を担う世代にメリットをもたらそうと尽力しています。

業界の主要企業として発展し続けている同社は、製造プロセスの継続的改善に取り組んでいます。その姿勢を裏付けたのが、家庭紙の生産ラインの一部をアップグレードするという選択でした。これは、最新技術を採用して生産高を増やし、お客様の要望を上回るさらに高品質の製品を提供するというアンコール・ティシュー社の決意の表れです。

このプロジェクトの趣旨は、2003年に立上げられた既存の家庭紙製造機をアップグレードし、新しい技術を採用して生産速度を高めることでした。

家庭紙の生産量増大に向けた取組み

アンコール社がそれまで使用していた家庭紙製造機はイタリア製で、ロックウェル・オートメーションが提供するReliance Automation (リライアンス)社製のコンポーネントを使用していました。この製造機は南イタリアのベルカータから移設されたもので、ラバトンノースにあるアンコール・ティシュー社の施設に設置されたのは2002年から2003年にかけてのことでした。このおかげでアンコール社は、さまざまな数枚重ねの新規または再生品の加工家庭紙を提供できるようになったのです。

製造機の移設においては、寿命を迎えた元のリライアンス社のDCドライブがより新しいFlexPak 3000 DCドライブへとアップグレードされ、ここにアンコール・ティシュー社とロックウェル・オートメーションのパートナシップが生まれました。しかし、アンコール社製品への需要は高まり続けたため、新しい技術を採用してこの製造機をアップグレードし、品質と生産高をともに高める必要性が生じました。

アンコール・ティシュー社のプロジェクトマネージャであるマーク・カミリエリ氏は次のように述べています。「ロックウェル・オートメーションとは、長期的に良好な関係を築くことができました。2003年に当社のドライブのアップグレードを依頼した経緯から、今回のラインアップグレードにあたっても、プロジェクトの入札者として彼らを指名しました。アプローチとソリューション、全般的な能力のどれをとっても優れているロックウェル・オートメーションは、やはり当社にとって最も合理的な選択だったのです。」

家庭紙の製造プロセスにまず必要なのは、水が約99.8%、繊維が約0.2%を占めるパルプです。このパルプをファンポンプと呼ばれる大型のポンプでヘッドボックスから製造機に注入すると、パルプがワイヤ上に薄く広げられ、紙層が形成されます。紙層はその後フェルトに載せられ、機械の中を移動します。

フェルトが圧搾ローラを通過する際に水分がある程度取り除かれ、紙層が次に向かうのは、蒸気で加熱・加圧されたヤンキードライヤと呼ばれる大きなドラムです。ヤンキードライヤはガスで熱したフードを使って、繊維が95%、水が5%のみとなるまで紙層をさらに乾燥させます。紙層はクレーピングを通じてヤンキードライヤから離れ、ポープリールによって紙製の芯に巻き取られて、最終的な親ロールが生成されます。

この新しい機械で電力をさらに有効活用し、生産高を増やせるよう、ファンポンプおよび成形ロール、脱水プレスのドライブをFlexPak 3000 DCドライブから4台の新しいPowerFlex® 755 ACドライブへとアップグレードし、安全要件を満たすため既存の制御システムをGuardLogix®にアップグレードしました。

「設計プロセスにおいては彼らのプラントに出向いて部屋の大きさを測り、ドライブが既存のスペースに収まるかどうかを確認したのですが、ACドライブの設置面積はDCドライブよりもはるかに大きいため、部屋に収まるようドライブの構成を変更しなければなりませんでした。

そのためには一部のドライブの配置を逆転させ、サーキット・ブレーカ・パネルを右側ではなく左側に置いて天井の梁と並ぶようにする必要がありました」と語るのは、ロックウェル・オートメーションのシニア・ソリューション・コンサルタントを務めるピーター・トマジッチです。

「家庭紙製造機には高電流システムが使用され、供給電流は4000Aに上るため、これに適した定格を持つバスバーシステムを見つけなければなりませんでした。また、キャビネットの50%以上はそのまま維持されるため、システムが既存のキャビネットとうまく結合され、効果的に統合されるようにする必要がありました。」

マーク・カミリエリ氏は次のように述べています。「企業として継続的に発展していくには、最新技術を採用してお客様に質の高い製品を提供しなければなりません。ロックウェル・オートメーションは当社のパネルやソリューションをカスタマイズして要件を満たし、生産高を最大限に高める手助けをしてくれました。」

統合安全

アンコール社は、製造プロセスを改善しながら安全要件の充足にも尽力しています。前述の家庭紙製造機の立上げ当初は、イーサネットがまだ成熟段階にいたっておらず、ドライブシステムの制御用ネットワークとしてControlNetが採用されました。現在は、連携するすべてのドライブシステムと同一ネットワーク上の安全および標準IOをイーサネットで制御しています。

「アップグレードの一環として、GuardLogixで制御と安全を1つのプラットフォームに統合し、当プラントは現行および将来の安全規制に準拠しやすくなりました。また、設置コストの削減とセットアップに要する時間の短縮も、この制御と安全の統合システムのもう1つのメリットです。さらにAllen-Bradley®のGuardmaster®ドアロック装置を使用して、機械のリール部が危険な状態にあるときにプラントの人員が許可なく立ち入るのを防ぐことに成功しました」と、ロックウェル・オートメーションのシニア・プロジェクト・エンジニアであるマシュー・バレットは説明しています。

ソフトウェアのカスタマイズ

マシュー・バレットは次のように述べています。「製品を供給すること自体は簡単ですが、それを可能にするエンジニアリングの段階を理解するのははるかに困難なことです。この種の機器においては、機械的な損傷や破損を防ぐためドライブ同士を同じ速度で稼働させなければならないため、ドライブの設計にはスマートな技術を豊富に動員する必要があります。このようなアプリケーションにおいてエンジニアリング時間を短縮し、信頼性を高めるには、我々が長年の経験を通じて開発してきたさまざまなソフトウェアが役立ちます。」

このアンコール社の施設は、3世代にわたってロックウェル・オートメーションのソリューションを活用し、大きく発展を遂げました。また、将来的な更新を簡単に実行できるよう、機器の移行も徐々に進めています。

「段階的に移行を進められるのは経済的に助かりますし、新しいソリューションを既存の機器とシームレスに統合できるという優れた柔軟性も大きなメリットです」と、マーク・カミリエリ氏は述べています。

システムテストにおいては、設置時のダウンタイムを最小限に抑えるため、工場でのテストが綿密に実施されました。その結果、このシステム全体が乾式システムとして機能していることが確認され、いくつかの機能も検証されました。立上げプロセスは標準プロトコルに従って行なわれたため、設置作業が簡単になったほか、ダウンタイムが発生しないよう徹底することができました。

サステナブルなライフサイクル

アンコール・ティシュー社のディレクタであるデイビッド・ホルクナー氏はこう語ります。「今ではホルクナー家3世代が力を合わせ、熱意あふれる経営陣の支えを得て日々邁進しています。今後も引き続き事業を成長させ、お客様にますます質の高い家庭紙を提供するとともに、企業としての能力を高めて革新的な製品を生み出していきたいと思います。」

紙製品の製造においては水が主な資源であり、水の使用量削減はアンコール・ティシュー社にとって重要なプロジェクトでした。その開始以来、製造される紙製品1トン当たりの水の使用量は65%削減されていますが、これは主に製造プロセス内での水の再利用やリサイクルによる成果です。

「このソリューションはエネルギー効率に優れており、製造プロセスにおける水の使用量削減に役立つため、生産能力を最大限に発揮してフル稼働するにあたって大いに助かっています。統合と立上げも極めて明快で、稼働までのダウンタイムもわずかで済みましたし、外観や使い心地にも皆すでに慣れ、簡単に操作できています。このソリューションのおかげで家庭紙製造機の生産高が増え、当社事業の核が強化されました」と、マーク・カミリエリ氏は述べています。

「ロックウェル・オートメーションとの協働は非常に有意義でした。彼らは自社製品を深く理解していますし、この道のプロとして信頼が置ける企業です。ロックウェル・オートメーションは当社との連携もスムーズでしたし、製品やサービスにも柔軟性があるため、他社にも自信をもって奨められます。」

Allen-Bradley、ControlLogix、GuardLogix、PanelView、PLC-5、PowerFlex、Rockwell Softwareは、Rockwell Automation, Inc.の商標です。

EtherNet/IPはODVAの商標です。

ここで紹介した成果は、アンコール・ティシュー社でロックウェル・オートメーション製品およびサービスをその他の製品と併用した結果です。実際の成果は事例ごとに異なる場合があります。

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