パワートレイン組立ての調整方法を習得する

パワートレイン組立ての調整方法を習得する

自動車製造における他のすべての分野と同様に、パワートレイン組立てプラントは多モデル生産の需要、技術の急速な進化、および求められる量の変動などに対応する必要があります。

実際に、パワートレインプラントが組立ラインのボトルネックをより早く修正できる、または現在のモデルから次のモデルの生産により速く切換えることができれば、収益性がより向上します。

あらゆる組立工程において、最適なパフォーマンスを達成できるかどうかは、自動と手動のワークステーションタスクをいかに効率的に振り分けられるかにかかっています。プロセスのどの時点においてもオペレータが待機させられたり、過度に負荷をかけられたりすることなく、各タスクが次のタスクにシームレスに流れることが理想です。

しかし、150~250のディスクリート操作を含んだ数百メートルにもおよぶパワートレイン組立ラインでは、最適な作業負荷分散を実現するのは難しい課題です。

ボトルネックの特定

非常に良く設計された生産ラインでさえ、さまざまな要因でバランスが悪くなることがあります。例えば、組立ラインの速度や1日の生産量に対する顧客要求の変更、またはモデル年式の切換えは、ワークステーションに不均衡をもたらします。

白書: Manufacturing Velocity: Positioning Your Auto Manufacturing Operations to Keep Pace With Market Demands (PDF).

負荷の不均衡を修正するための最初のステップが、ボトルネックの特定であることは言うまでもありません。何十年にもわたって行なわれているタイムスタディが、現在のところボトルネック特定の最良の方法です。

私はパワートレインプラント在籍当時、データ収集の観察と「ストップウォッチ」法に基づいた、多くの時間分析に携わっていました。言うまでもなく、このアプローチはラインで働く作業員にとっては脅威となります。また、情報収集をしている間は、習慣化されている作業に影響を及ぼします。

しかし、このようにして収集されたデータによって、標準的な作業が行なわれていないことが分かる場合もあります。

現在では、バックグラウンドで動作するジョブ監視ソフトウェアによって、リアルタイムのタスクステータスや時間、およびステーションのサイクルタイム全体を確認できます。プラント・プロセス・マネージャは手元のデータを使って分析し、より大きな効果が望めるようにワークステーションのタスク割付けを見直します。

ゾーン制御の問題点

次に必要となるのは、より効率的なプロセスとなるように、組立ラインのバランスを再調整する作業です。従来のゾーン制御アーキテクチャを採用しているプラントでは、組立ラインのバランスの再調整は困難かつコストのかかる作業です。

標準的な組立ラインでは、コンベアや関連するすべての手動ワークステーションのセクションを制御するPLCが各ゾーンに対して1台ずつ設置されています。各自動ワークステーションには、その機能を実行するための固有のロジックを処理する専用のPLCが設置され、ゾーンコントローラに統合されています。

手作業で行なうタスクを修正したり、割付けを変更したりするには、制御エンジニアがそのゾーンに対する現在のPLCプログラムを取得して分析し、変更する必要があります。この作業の後、さらにハードウェアの更新、コードデバッグ、テスト、検証などが必要になります。

ラインを再度プログラムしてバランスをとるのに必要な合計時間は、2週間におよぶこともあります。しかも、その作業の多くが、時間外手当の支給が必要となる終業後や週末に発生します。

制御のさらなる分散化 + 構成システム = さらなる柔軟性

組立ライン制御に対するより分散化されたアプローチを採用することが、このプロセスを合理的に行なうための最初のステップです。高度に分散化されたアーキテクチャでは、手動ワークステーションに、コンベアコントローラから独立した独自のPLCが設置されています。各自動ワークステーションにも、すべての機能に対する個別のロジックを実行する独自のPLCが設置されています。

このような、より分散化されたアーキテクチャを採用することで、再プログラミングが不要で、手動ワークステーションの負荷分散を実現する構成用ツールの導入が可能になります。

分散化されたアーキテクチャのしくみ

まず、各手動および自動ワークステーションが、同一のPLCコア構造で構成されていることが必要です。これにより、すべての手動ステーションのロジックがまったく同じになり、使用可能な機能がすべての手動ワークステーションで使用できるようになります。実行される可能性があるすべてのタスクの定義が標準ライブラリとしてマスタファイル内に格納されているため、新しいタスクが選択される、または再割付しても、パラメータを変更するだけで十分です。

ブログ: MESで本格的に稼動

プログラミングは不要です。

構成可能なパワートレイン組立ラインには、製造工程での組立て順序に応じてバイパスするか使用するかを選択できる、特定の作業専用のステーションを含めることもできます。また、ワークステーション全体を選択するかどうかを決定できるため、組立ラインのハードウェア更新の必要性を低減できます。

Rockwell Automation®のProduction Performance Builder (PPB)のような設計および構成用ツールを使用することで、パワートレインの組立ラインをわずかな時間で再調整することが可能になります。実際に、組立ラインの再構成を予定された就労時間内や、昼休み中に行なうことも可能です。

パワートレイン組立てプラントでは、構成可能な組立ラインを導入することが運用コスト全体の削減につながります。また、パワートレイン装置のサプライヤにとっては、設計および構成用ツールによって設計の再現性を向上し、適切なシステム設定が最初から可能になるというメリットが生まれます。

柔軟なパワートレイン生産および組立てシステムの実現方法について、さらに詳しくご紹介します。

David Rimmell
投稿日 2017-09-04 投稿者 David Rimmell, Automotive Industry Consultant, Powertrain, Rockwell Automation
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