暗黒時代からの脱出: データは産業用安全をどのように変革できるか

データを使って産業安全を強化

データを生産に使用する方法と安全に使用する方法には、明らかな格差があります。

生産チームはまっさきに情報化社会に飛びこみました。生産工程のほぼどこからでもデータを取得し、解析し、実行可能なインテリジェンスに変換して、十分な情報に基づいた決定を行なうことができます。

一方、多くの安全チームは暗黒時代にとらわれたままです。それは、安全の専門家の多くが今でも旧式のデータ収集とレポート作成手法に依存しているためです。監査、トレーニング、検査、事故レポート、その他のプロセスに関する安全データを手作業で入力しなければならない場合が多すぎます。しかもほとんどの場合、安全システムは生産システムに接続されていません。

幸いなことに、コネクテッドエンタープライズがこの格差をなくし、安全データの活用を通じて産業用安全を革新するチャンスを提供します。

土台を築く

安全部門の専門家の方は、生産部門の方と比べるとコネクテッドエンタープライズのコンセプトにそれほどなじみがないかもしれません。

簡単に説明すると、コネクテッドエンタープライズは、シームレスな接続性、データ収集、情報共有の基礎を築きます。長い間別々に分かれていたITネットワークと産業用ネットワークを、単一のセキュアなネットワークアーキテクチャに統合します。また、IIoT (産業用モノのインターネット)デバイス、解析ソフトウェア、ワイヤレス/モバイルテクノロジといった重要な実現技術も活用します。

このアプローチによって、すでに多くの製造業各社が、プロセスの可視性の強化、運用効率を高める新たな方法の発見、品質管理の改善などを実現しています。

そして、プロセス安全と機械安全についても、同様のすばらしい効果が見込めるのです。

White paper: Reimagining Safety in The Connected Enterprise. Harnessing the power of safety and operational data can substantially improve safety compliance and performance. The Connected Enterprise enables this, empowering safety professionals with a real-time understanding of worker behaviors, machinery compliance, causes of safety shutdowns or stoppages, and safety anomalies and trends.

安全データを機能させる

安全へのより賢いアプローチは、機械制御と安全制御を1つのプラットフォームに統合する最新の安全テクノロジを使用することから始まります。こうしたシステムは、ハード配線された安全システムよりも面倒なシャットダウンの影響を受けにくいため、生産性と収益性が向上します。

しかし、もう1つの重要な利点があります。安全システムのデータへのアクセスです。データには、停止コード、エラーおよびフォルトコード、デバイスステータス、イベントシーケンスなどがあります。これらのデータを収集して意味のあるデータに変換することで、オペレーションの中で安全を監視、管理する方法を変革できます。

安全システムのデータは、主に次のような形でお客様のお役にたちます。

安全防御の使用と乱用を監視: 安全デバイスのデータを使用して、乱用の特定と緩和ができます。

例えば、E-Stop (非常停止)は非常用の機能ですが、詰まり(ジャム)の解消などその他の目的にもよく使われます。こうした乱用により、廃棄物とダウンタイムが増加することがあります。現在のほとんどのプラントではこのような乱用を捕捉できないため、問題が永遠に続きます。

コネクテッドエンタープライズでは、非常停止アクティベーションのタイムスタンプ、ダウンタイムの長さ、およびラインとシフトの詳細をすべて記録できます。さらに、停止理由コードにより、なぜ機械が停止したのか記録して示すこともできます。安全の専門家はこの情報を確認し、標準操作手順書(SOP)の不備、不適切な機械設計など、問題の根本原因を調査することができます。他の安全デバイスも、システムの使用と乱用に対して、同じくらい関連性の高い知識を提供します。

安全リスクのさらなる理解: 機械の立上げ後に、リスクアセスメントによる発見を再検討することはめったにありません。しかしコネクテッドエンタープライズでは、リスクカリキュレータの形でアセスメントのデータを活用できます。

アイデアは簡単です。安全の専門家は、特定の安全機能を使用する頻度の予想をリスクアセスメントから入力できます。このデータが、安全要求レートとパフォーマンスの基本になります。ここから、データを機械の実際の使用頻度データと比較し、設計上の想定との差異を示すことができます。

その結果、各機械のアクセスポイントや安全機能について要求とリスクの変化を測定するという、これまでにない機能が実現します。

安全の強化: コネクテッドエンタープライズにおけるデータと接続性の改善によって、作業者と環境の安全が強化され、生産性が向上します。

例えば、分散した、または手が届きにくい作業をリモート管理できるため、作業者が移動する必要性が減り、危険事象(ハザード)にさらされる機会が減少します。プロセス状態、環境条件、その他の要素に対する可視性が得られることで、環境への有害物質放出を防止できます。

さらに、運用が本質的に安全になるような変革も可能です。例えば、石油&ガス業界の操業では、イーサネットに接続された海底プラットフォームを導入することで、大惨事に陥るおそれがある有人の海上作業台船の必要性が減少します。さらに、自律型のテクノロジにより、採掘した原材料を鉱山から港湾へ輸送するために必要な作業者の数も減らせます。

これらすべては印象的に聞こえるかもしれませんが、氷山の一角に過ぎません。実装方法を含む、コネクテッドエンタープライズにおける安全については、当社の白書“Reimagining Safety in The Connected Enterprise  (コネクテッドエンタープライズでの安全の再考)” をご覧ください。

George Schuster
投稿日 2017-04-19 投稿者 George Schuster, TÜV-certified Functional Safety Expert (FSExp), Certified Functional Safety Engineer (CFSE), Rockwell Automation
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