コネクテッドデジタル油田で活用される最先端の生産方式

コネクテッドデジタル油田

革新的なイーサネット接続や高度なソフトウェアを利用して生産能力を向上し、サプライチェーン全体で情報を共有

この10年間、デジタル化された油田では安全性の向上とオペレーションの最適化が期待されてきました。現在では、油井、コンプレッサ、ポンプステーション、そして精製施設に設置されたモノのインターネット(IoT)の要素であるスマートデバイスが、大量の運用情報を生み出し続けています。しかし、このデータを有効活用できるかどうかは別の話です。

石油&ガス企業は、資産管理の分野では他の産業に後れを取ってきました。これは、接続されない機器、独自のネットワーク、およびベンダーごとのデータベースといった異種ソースのデータを効率的に収集、集積、共有、処理する能力が乏しかったことが原因です。さらに、異分野データ間の透明性が、アプリケーション中心の情報管理によって阻害されていました。

石油&ガス企業がこれらの問題を効果的に解決するためには、ネットワークアーキテクチャを統一し、人材、技術、およびプロセスの力を集結させる必要があります。石油&ガス企業は制御機能および情報を統合することで、オートメーションレイヤと情報レイヤの両方の要件を満たしつつ、完全な接続性とデータ統合を実現する企業全体を結ぶコネクテッドインフラを構築することが可能になります。

データの井戸を活用

自動的にデータを収集し、関係者がすぐに使用可能な情報を管理するインテリジェントなオートメーションエコシステムを構築すれば、生産工程を最大限に活用できます。これが、ロックウェル・オートメーションが提供するConnectedProductionです。

ConnectedProduction環境は、生産機器、デバイス、およびシステムを接続します。

  • 単一油井および複数油井向けのパッドシステムを含む人工採油システムは、プロセスの可視性を向上させます。人工採油システムは、流量データ、油井テストデータ、油井コンプリーションデータ、およびその他の表面処理装置のデータなど、複数のデータストリームを収集し、単一のデータストリームに結合するため、分析が容易になります。これによって、オペレータは油井の状態をより正確により早く把握できるようになり、最適な運用を行なうための決定を情報に基づいて下すことができるようになります。さらに、このデータにはデスクトップからもモバイルデバイスからもアクセスでき、クラウドベースであるため現場に行かなくても情報に基づいた決定を下すことができます。
  • 油井モニタシステムによって、オペレータは離れた場所からリアルタイムのデータを見たり、警告を出すことができるようになります。このデータは意味づけされ、検証されます。これによって生まれる高品質なデータを使用し、オペレータは生産に影響を及ぼす事態が発生した場合に、より優れた情報に基づいた決定が下せるようになります。
  • 仮想多相フローメータは、油井の既存の計装を使用して、三相流(石油、ガス、水)をリアルタイムで計算します。予想生産量は割当目標と対比することができ、オペレータはこの予想を使用して生産量の変化をより正確に把握し、リソース割当てに関する決定を行なうことができます。

障害を予測し、ダウンタイムを削減

石油&ガス企業では、ダウンタイムや機器の故障が減益に直結します。ConnectedProduction環境は、石油&ガス企業の想定外のダウンタイムからの迅速な復旧を支援するだけでなく、ダウンタイムが発生する前に問題を解決します。

スマートな資産は例外的な操作を必要とする重要な情報を提供するため、技術力のある作業員を注意が必要な場所にのみ割当てたり、生産に重大な影響を及ぼす問題を解決させたりすることが可能になります。

インテリジェント通知システムにより、重要な関係者へのテキストメッセージや電子メールの送信や通知ができるため、問題をリアルタイムで特定して対処できます。

拡張性に富んだHMIシステムは、内蔵された障害検出および復旧機能によってシステムの可用性を最大限に向上させます。オペレータはネットワーク上のどこからでもシステム内のアプリケーションを変更でき、関係者はモバイルサポートを使用して常に接続された状態が維持されます。

高度な分析および予測ソフトウェアには、ダウンタイムにつながる傾向を検出する予知分析機能を搭載することができます。この機能により、運用チームは既知の問題に対して入念に計画し、リソースを割当てることが可能になります。

最後に、技術者は資産管理ソフトウェアを使用して、監査記録や資産設定のバックアップにアクセスできます。これにより、迅速にトラブルシューティングやダウンタイムの復旧を行なうことができます。

郵便受けからクラウドへ

ConnectedProduction環境によって、石油・ガスの採掘作業が合理化され、より確実に行なえるようになります。石油ビジネスの一角を占める炭化水素の輸送も例外ではありません。

炭化水素の採掘作業は地理的に遠く離れた油井、貯蔵タンク、パイプライン流入口、ターミナルなどに近い場所で行なわれるのが一般的です。購入者および販売者は、リース自動管理輸送(LACT)ユニットによって現地に赴かずに石油を取得します。以前から、炭化水素の輸送には紙ベースのチケットが使用されており、購入者はユニットの隣に設置された郵便受けにチケットを投函します。しかし、多くのLACTユニットは自動化されておらず、ネットワークへも接続されていなかったため、しばしば請求の遅れや間違いが発生していました。

現在では、クラウドベースの資産パフォーマンス管理ソリューションがLACTスキッドに搭載されています。トラック運転手はHMIにID番号を入力して輸送を開始します。原油の搭降載に応じて、電子チケットが自動的に入力されます。その後、この情報がセキュアなクラウドに送信され、お客様に対する請求書が生成されます。 このシステムによって事実上間違いがなくなるだけでなく、現場および作業の管理者は各油田から産出する石油の種類や、全体的な石油の品質、通算の油田生産性といった、意味づけされた輸送に関する情報を取得できます。

動作概要

デジタル油田技術を完全に導入すると、石油&ガス企業は生産の最適化や採掘工程全体での効率性の改善につながる総合的な視覚化および制御が可能になります。また、従来はできなかった装置診断だけでなく、産業自体が変動し変革を続ける中での生き残りに不可欠な将来のパフォーマンスの予測も可能になります。しかも、完全な統合環境では、オペレータは装置の状態を監視して最高の効率を維持することさえもできるようになります。

ConnectedProduction環境への移行には、インフラを根本から改修する必要はありません。油井や油井管継手の表面処理から管理輸送に至るまで、既存のオートメーションシステムやインテリジェントなフィールド装置などの現在の投資を接続することができます。

この環境はオンサイト、クラウド、またはその両方のオプションを組み合わせたハイブリッドモデルで構成および稼働できます。ConnectedProduction環境は共通のプラットフォームとなり、オペレータは生産に関するあらゆる側面を視覚化して制御できるようになります。収集した適切なデータをリアルタイム診断、生産傾向、およびKPI (主要業績評価指標)の意味あるデータとして使用することで、石油&ガス企業は従業員に装置のパフォーマンスをより深く理解させ、より適切な情報に基づいた意思決定をさせることが可能になります。

接続することでギャップを埋める

状況の変化に応じて、デジタルオートメーション技術は要件を満たす新しい方法の確立を支援します。デジタル油田技術のアプリケーションは、固有の資産ポートフォリオの需要側の圧力を解決し、従業員の生産性を加速させることで供給のギャップを埋める強力なメカニズムとなり得ます。

コネクテッドエンタープライズを実現し、デジタル油田、パイプライン、精製施設全体に実装されたオートメーション、通信、および情報技術のコンバージェンスから多大な恩恵を受けるには、包括的なアプローチが要求されます。今やスマートな製造メーカはConnectedProduction環境を活用して、上流、中流、および下流工程から資産にアクセスしてモニタすることができ、いつでもどこからでもまったく異なる油田データをすぐに統合して使用できる情報として活用できます。

Automation Today

Automation Today Asia Pacificは、ロックウェル・オートメーションが発行する季刊誌で、最新の産業オートメーションと情報技術の動向、ケーススタディとアプリケーション記事、新製品と機能の情報をお届けします。