アーカンソー・スチール社が継続的な改善により品質水準を向上

アーカンソー・スチール社が継続的な改善により品質水準を向上

保線に不可欠なタイプレート

米国には150,000マイル以上のレールが敷設されており、世界のいずれの鉄道システムよりも多くの貨物輸送を担っています。このシステムの大半は、保線および改良プロジェクトに携わる民間企業によって管理されています。

これらのプロジェクトで重要になるのは、レールと支持材の間に設置する、厚い鉄板でできたタイプレートです。タイプレートによってレールを垂直に保ち、位置を安定させることで、線路の寿命が延びます。

北米の主要な路線ではタイプレートを使用しており、そのほとんどがアーカンソー・スチール製です。

これらのプレートを生産するために、アーカンソー・スチール社の搬入口には毎日くず鉄が届きます。くず鉄は溶解されて、特定の長さ・形の鋳型に注入され、お客様のレシピに従って仕上げられると、出荷品置き場からお客様に配送されます。このプロセスの各段階では、毎時50トンを処理するアーク炉、1億BTUのガスを燃焼させる再熱炉、1,000トンのプレスなど、オペレータによる監視が絶えず必要な重工業用の機器が使用されています。

稼動状況の問題

1994年、アーカンソー・スチール社はプラントの制御システムの改修に着手しました。ハード配線されたリレー制御はメンテナンスが非常に困難で、改修はほぼ不可能でした。1つの変更を完了するのに何時間もかかり、ヒューマンエラーのリスクもはらんでいました。このプラントでは、Allen-Bradley®のコントローラファミリーが選択されました。2006年まで、アーカンソー・スチール社はロックウェル・オートメーションの高度なControlLogix®コントローラコントローラを使用していました。

プラントの制御層を更新するにあたり、アーカンソー・スチール社のITチームはオペレーションの改善についてさまざまな角度から検討しました。その結果、作業員の作業状況に問題があることが分かりました。オペレータの関心が、タイプレートの製造プロセスからデータ処理に移っていたのです。

アーカンソー・スチール社の上級ITマネージャであるチェット・ピンカートン氏は次のように述べています。「監督者が行なう朝の会議のために従業員が手作業で報告書を作成しており、その作業に1年のうちの何千時間をも浪費していました。この作業の間、従業員の関心は鉄を管理することからデータの収集に移っていました。本来の作業に集中できるよう、全員がペンを置く必要がありました。」

オペレータ達は、データを正確に追跡しながら、同時に鉄の溶解を監視したり、適切な化学物質を調合したりすることに苦心していました。

アーカンソー・スチール社は、この問題が鉄の溶解から始まるプロセス全体に与える影響について調査を開始しました。オペレータ達は、データを正確に追跡しながら、同時に鉄の溶解を監視したり、適切な化学物質を調合したりすることに苦心していました。レポートの質が低下することも、しばしばありました。

プロセスを改善させる余地は、溶解から取鍋制御システム(LMS)、そして鋳型エリアへの鉄の移送にも見つかりました。下流工程のオペレータには、信頼性の高い、生のプロセスデータが利用できなかったのです。自分たちのプロセスの前のエリアのオペレータに連絡して情報を入手していたのでは、溶鋼処理のタイムフレームに間に合いませんでした。

例えば、鋳造担当のオペレータには、鉄の温度に関するリアルタイムデータが不足していました。これにより、鉄の温度が下がり過ぎたために鋳造できず、再加熱しなければならないこともありました。鉄を移送して再加熱するために、次のバッチで使用できたはずの時間とエネルギーが浪費されました。

狭い視野の打開

プラントの溶解、LMS、および鋳造の工程に改善の余地が見つかると、アーカンソー・スチール社はその解決のためにデータの収集、分析、およびレポートを自動化することで作業員の作業状況を改善する、製造工程分析プラットフォームを選択しました。また、ITチームは既に制御層の簡略化を手がけていたロックウェル・オートメーションに、時間がかかる手作業のプロセスの自動化を依頼しました。

ピンカートン氏は次のように述べています。「私たちはControlLogixコントローラから得られるデータを信頼していました。しかし、課題はすぐに使用できる情報を最も効果的なタイミングでオペレータ、監督者、メンテナンス作業者に自動的に渡すことでした。ロックウェル・オートメーションのサービスチームはアーカンソー・スチール社の一員となって、ソリューションを導入し、制御層と情報層を統合してくれました。」

FactoryTalk® VantagePoint® EMIプロダクトプロファイル(PDF)をご覧ください。

各バッチに関するデータは、コントローラからヒストリアンに直接送信されます。その後、ロックウェル・オートメーションのFactoryTalk® VantagePoint® EMIソフトウェアが異種ソースからのデータを理解しやすい情報に変換します。これによって、オペレータはデータ処理から解放され、次のバッチのリアルタイムビューを見ながらプロセスに集中できるようになります。また、マネージャは毎朝、前日行なわれた作業を詳述した最新レポートを自動的に受信します。

監督者は、この最新レポートを生産品質確認のための信頼性の高いツールとしていち早く活用しています。このレポートだけで、溶解、LMS、および鋳造に関するデータが確認できます。このレポートは複数のデータソースを状況に当てはめることで、プロセスや、特定のレシピで必要な化学物質および合金の添加に関する包括的な情報を提供します。

監督者はこの製造工程分析プラットフォームに、改善を強力かつ継続的に行なう能力があることをすぐに実感しました。このソフトウェアのシステムレベルの分析ツールによって、ユーザは特定の動向を掘下げ、生産データをチェックし、バッチの進捗を追跡できます。また、カスタマイズ可能なダッシュボードは、異種ソースからのデータをレビューでき、あらゆる問題に対する解決策の検討に役立ちます。

ピンカートン氏は、手作業でのレポート作成の労力を削減するだけでもプラント全体に対してプラスの効果があると考えていました。しかし、プラントレベルのデータをより簡単に分析できる機能を見て、ピンカートン氏はプラットフォームを拡張する決意をしました。

さらにピンカートン氏は次のように述べています。「FactoryTalk VantagePointソフトウェアを使用したオペレータ、監督者、およびメンテナンスチームの成功を目の当たりにし、プラントの残りの部分にもこの成功体験を当てはめようとすることに、何の迷いもありませんでした。レポート作成を自動化したことで生産性が向上したことも重要ですが、信頼性が高く、簡単にアクセスできる分析機能が、当社の主要業績評価指標(KPI)達成に大きく貢献しています。」

プロセスの初期の段階を担当する監督者同様、出荷品置き場を担当する監督者も情報ソリューションへのアクセスを必要としていました。出荷品置き場のオペレータはバケツ一杯のタイプレートを手作業で運搬し、重量を計算して、特性を記録していました。

情報ソリューションを出荷エリアにまで拡大することで、マネージャはお客様と約束したスピードと品質で製品を納品するためのすべての情報をチェックできるようになりました。また、オペレータは手作業でデータを追跡する必要がなくなりました。毎朝、監督者は敷地内を移動するタイプレートの詳細をすぐに確認することができるのです。

結果の追跡

アーカンソー・スチール社が製造インテリジェンスプラットフォームを導入した当初、歩留まりは86~87%でした。手作業でのデータ収集やレポート作成を減らし、問題を速やかに特定する方法を確立したことで、歩留まりは平均で89~90%に上昇しました。

毎朝提出される最新レポートは、歩留まりの向上に大きく貢献しています。マネージャは前日に発生した事象の分析結果を受取り、問題点は何か、または改善の余地があるかを確認します。毎週のように、改善の余地がありそうな領域が新たに見つかります。

このような改善を1つ行なうだけで、企業にとって数千ドルの節約となっただけでなく、バッチがお客様のレシピと一致していない箇所が特定されました。鋳造の監督者は不一致を見つけ、品質チームと連携して、いつどこで化学薬品を添加して鉄を鋳型から取出すかを正確に特定しました。このチームは直後のバッチが開始されるまでにプロセスを変更し、仕損品を削減することができました。

また、アーカンソー・スチール社ではオペレータ間のコミュニケーションが向上し、ダウンタイムが短縮しました。例えば、鋳造部門がバッチを特定の温度にする必要がある場合でも、鉄が要求された温度であるかどうかを簡単に確認できるようになりました。この情報にアクセスすることで、オペレータは再加熱のリスクを軽減でき、再加熱が必要な場合でも、移送が完了する前に再加熱を要求できるようになりました。

上記の結果は、ロックウェル・オートメーションの製品とサービス、および他の製品を採用したアーカンソー・スチール社の事例です。他のお客様の場合、具体的な結果が異なることがあります。

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