今回は、顧客との打ち合わせにおいて話題となることが多い【人の管理】というテーマについて説明します。ものづくり現場における【人の管理】というテーマは非常に多くの分野に関わる事項であり、全てをここで表現してしまうと論文のような文章となってしまいます。そのため、このテーマの中で、【人が対応する作業管理】といった分野に焦点をあてていきます。
言うまでもないことなりますが、【モノ】は人と設備が特定のプロセスを経てできあがります。この内の設備は自動化/半自動化といった行為にて製造を支援しているため、情報の取得や蓄積といったことの対応が比較的容易であると表現することができます。その一方で、前述のような対応を【人の作業】にも対応させようとすると、その記録の不確かさと実業務に対する負担といった懸念が顕在化することがあります。ここで言う不確かさの由来は、記録内容の誤りや失念による情報の喪失や欠落といった事柄であり、さらに粒度が高い情報を取得しようとすると、実業務に対する作業負荷という悩みが頭を擡げます。
もちろん、このような情報を取得していなかったとしても、自社が市場で展開する【モノ】は作り上げられるかも知れません。ただし、そのようなケースは多くの場合、【属人化】によって強化されたものづくり現場であり、【特定の人への依存】から抜け出すことができなくなってしまいます。これは近年の労働人口の減少と技術継承の困難性という観点において、近い将来の企業運営における1つの大きな課題と成り得る事項と言えます。つまり、この分野においては何かしらの手段を講じて、作業実績や業務の振り返りによる継続的改善の実施とトレーサビリティ能力を確保することが肝要という結論に至ります。
では、この分野における現実的で具体的な策とはどういうものなのでしょうか?実は、デジタルの世界において、この対応を実現できる数多くの技術基盤といったものがあります。例えば、【人の作業動作を動的に検知しながら情報を形成する手法】や【スマートウォッチを用いて、位置情報のみならず、作業者の体内状態を含めた総合管理】といったものがその該当となります。
その内容によっては、企業という一団体における作業者側の個人情報を含めた管理となるため、企業は情報利用と管理という観点で従業員から合意を得る必要があるかも知れません。ただし、このようなものづくり現場の多角的な情報による管理を実現することで、企業経営のみならず、業務を行なう従業員に対して、一段上位の安全で安心な作業環境を提供することもできるようになります。
本件に関しまして、ご興味やご関心などがございましたら、上述に付随するものを含め、弊社では豊富な知見とソリューションメニューを有しておりますので、是非一度、こちらまでご連絡いただければと存じます。