ロックウェル オートメーション ジャパンの坂上です。皆様、この厳しい状況の中いかがご対応されていますでしょうか?私共も製造業の一員として、このような状況に今後どう立ち向かえばいいのか日々思い悩んでいます。
さて、本日皆様にご紹介をさせて頂きたいのは、MES (製造実行システム)の役割についてです。MES (もしくはMOMと教科書では言われ始め時間も経ちますが)は、なぜ企業にとって必要なのでしょうか?MESの言葉が認識され始めたのは、1992年頃にAMR Research社による3層モデルやMESA InternationalのMES11機能が定義されたころからと思います。その後Industry4.0で注目されたANSI/ISA-95モデルが提唱され、MESの定義が見え始めてきました。しかし昨今、このANSI/ISA-95モデルのMESが位置するレベル3と上位層のレベル4 (ERP)や下位層のレベル2 (SCADA)の切り分けが非常に難しくなってきているとお感じの方が多いと思います。今現在のあるべき切り分けにつきまして、世の中一般で言われていることや私共の考えをご紹介いたします。

ERPには生産管理システムというものが(今でも)存在しております。その生産管理システムには工程管理というサブ機能があり、皆様がご存じのように、計画に対する工程の進捗を管理することにより納期を厳守することを目的としてERPの1機能として定義されてきました。ERPが管理する品目で工程が定義されており、品目は客先への納期を実現するための管理単位です。しかし時代は、少品種大量生産から多品種少量生産へ、近い将来一品一葉生産に変わるほどの変化を遂げており、管理する品目が増えていくことにより、ERPでの管理が限界となり、MESがその重要な補助の役割を担っていると言えます。

では何が変化するのでしょうか?昨今皆様において、欧米諸国との取引に製造履歴を強く求められるケースをお感じになったことはありませんか?これは企業にとって大きな変化であり、例えば現場では、部品原材料の仕入れにおいて、取引先および取引している部品原材料の性質により、取引基本契約に基づき細かく管理されています。実際の工場の受け入れ時に、その規定に基づいた検査やその履歴を管理されているでしょう。品質に問題が生じた時にサンプル検査から全品検査への変更対応をした場合、即座な製造履歴の管理が求められます。これは一つのケースですが、これからより多くの変化が求められ、製造現場との連携がより一層必要になっていくと強く感じている方が多いと確信しております。

今まで述べさせて頂きました通り、環境は大きく変化し、人間系の作業(判断)が非常に難しい時代が訪れているのは間違いありません。つまり先ほどの検査という言葉一つにおきましても、人の判断ではなく機械による判断、改ざん防止や履歴の管理等にレベル2との融合が必須となってきており、教科書で言いますレベル2は秒以下のデータ、レベル3以上では秒以上のデータ管理という垣根がすでになくなり、レベル3のMESにレベル2の機能が必要となってきています。
以上のようにMESが果たすべき役割がさらに重要になってきており、企業の業種・業務により要望も大きく異なると認識しております。ロックウェル・オートメーションはレベル2以下の製品とMESの両方を取り扱っている会社であり、今後大きく環境が変化していくことに対応し、皆様の企業価値の拡大に貢献できる製品・ソリューションを提案できる会社として、より皆様に身近な存在と感じて頂けるように努力していく次第です。最後となりますが、具体的な弊社の製品・ソリューションのご紹介の場を頂けましたら幸いです。こちらから私共にお問合せをいただきますか、または下記のリンクをクリックして弊社のウェブサイトをご覧ください。